21-22AW これからのオーダースーツ
皆様こんにちは。
イレギュラーな情勢のため、昨年と同様に外出自粛で夏が過ぎゆく中、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
大人もさることながら、遊び盛りである子供達世代の貴重な夏休みが失われていくと考えると、なんとも複雑な心境の今日この頃です。
そんな情勢下ではありますが、麻布テーラーでは例年通り盆休み明けから秋冬物がスタートいたします。
しかし、真夏に秋冬のスーツをイメージするという作業は、慣れた方でないと容易ではないと存じますので、今回は触り程度に2021秋冬のスーツ傾向を考察してみたいと思います。
~糸をミックス使いした霜降り感~
メンズドレスアイテムはウィメンズアイテムに比べて、やや緩やかにトレンドが推移する傾向にあります。
そんなメンズドレスのなかで、昨今トレンドワードとして登場するのが【クラシック】というワードです。
プレーンな無地に比べて、複数の糸をミックスした杢糸使いやムリネーといった織物は独特な霜降り感があり、柔らかさや安心感といったクラシックなテイスト特有の表情になります。
一見すると無地に見える生地感は大人らしさと同時にさりげないオーダーらしさを表すポイントにもなります。
~カラーは春夏に続きグレー系が旬~
ここ数年で王道のネイビーに加えて雑誌各社などでもフォーカスを当てられてきたのがブラウン。
昨今ではブラウンカラーもトレンドの差し色といった位置付けから定番色として認知されつつあります。
メンズスーツのなかで定番の三元色として考えられているのは、ネイビー、グレー、ブラウン。
日本国内ではネイビー、グレー、ブラックの3色が定番色として認知されている印象でしょうか。
いづれにしても、グレーというカラーはビジネスシーンに於いて非常に重要な役割を担っています。
今年の春夏はグレーを基調としつつブルーみがかったアイスグレーや、ブラウンがかったグレージュと呼ばれるグレーも台頭してきてました。
その流れを引き継いで、やや明るめな優しく穏やかな印象のグレーをフランネルやホームスパンなど、温かみのある素材感で選んでいただいたりするのもトラッドで旬な印象かと存じます。
ひと昔前のハウツー本には、男性が持つべきスーツ!などと記述されておりましたが、一周まわってお勧めです。
~柄は引き続き格子柄にやや軍配か~
柄は大きく分けて、無地、縦縞、格子などが存在します。
これも前述した杢糸のスーツと同様に過去数年から踏襲して格子柄に軍配が少し挙がるような印象です。
やはり各メーカー共にグレンチェックや千鳥格子(ハウンドトゥース)などと呼ばれるクラシックに映る柄を基調としております。
ただ、縦縞系統も負けてはおらず、コンサバティブに品良く映るチョークストライプやワイドピッチでクラシックな印象に紐付けた縞柄は各メーカーふんだんに盛り込んできております。
Ermenegildo Zegna【LOOP】
ベスト付スーツ¥174,900(税込)
ここまでのお話しを元に大宮店から秋冬シーズンにお勧めしたいのがこちら。
ゼニアのコレクション名は循環を意味し、過去の余剰分から生地選定を行うことによりサスティブルなコレクションに仕上がっております。
少し寄ってみると、ミックス糸特有の霜降りがかった印象が少し垣間見えます。
程よいピッチのストライプは、ビジネスシーンでも奇をてらったイメージにはならず、ビジネスシーンのカジュアル化が進んだ今だからこそ袖を通したい、そんなデキる男性を演出してくれる1着ではないでしょうか。
他にもお勧めが入荷次第ブログにてご報告していきたいと思います。
それでは、麻布テーラーのお休みが明ける17日(火)より皆様のご来店をお待ちいたしております。
大宮店
脇山