生地以外にもこだわりたい~本切羽、台場~
麻布テーラー千里店のブログをご覧いただき有難うございます。
本日のブログ担当の鈴木です。
前々回、前回と、「①生地②寸法(サイズ感)以外のものにもこだわると、
よりオーダーらしさが出てオリジナルの1着に仕上がります。」
ということで、それぞれ”釦”、”裏地”についてお伝えしました。
本日はその第3弾「本切羽、台場」についてお伝えします。
まずは本切羽から。


本切羽とは、画像の様に、実際に釦を留める(釦)ホールが開いていて、
袖口を開閉出来るディテールのことです。
18世紀末~19世紀初期のヨーロッパでシャツが下着扱いだった頃、
人前でジャケットを脱がないルールがあり、
医師が診察や手を洗う際袖をまくれる様にこの様なディテールにしたのが始まり。
しかし時代が流れ、オーダー服から既製服へ。
コスト削減、大量生産の流れから開閉機能が省略されていきます。
現在一部の既成服でもあるディテールですが、
実際ジャケット着用時に開閉することはなく、
その殆どが釦ホールの形状をミシンで縫った
「飾り切羽」(下画像)になっています。

また、いつしか本切羽はオーダーらしいディテールと捉えられ、
見た目の高級感もありこだわりのディテールになっています。
麻布テーラーでは、本切羽は有料オプション(¥3,300)になります。
私は自分のジャケットを本切羽にしていますが、
開いて袖をまくることはありません。
(お客様に説明する為に開閉はしますが)
はっきり言ってこだわりの世界なのですが、
オーダー感(特別感)や、見た目の良さ(高級感)が出る為、
おすすめしたいディテールです。
※服好きの方が他人のスーツでよく見る箇所でもあります。
そして次は台場について。
場所はジャケットの内側で、内ポケットの周辺。
まずは通常仕様の画像から。

表地と裏地は、縦に真っすぐなラインで縫われています。
これに対し台場(仕上げ)とは。


「丸台場」と「角台場」の2種類があります(共に¥3,300の有料オプション)。
共に内ポケットの周りを、表地が囲っています。
そもそも、見た目は高級感がありますが、
それだけの為の仕様なのか(手間もかかります)。
実は、目的は見た目だけではありません。
1.内ポケットは物の出し入れで負荷がかかります。
その際の補強、型崩れ防止の役割。
2.芯地のズレ防止の役割。
※芯地:表地と裏地の間に入っている副資材(複数枚重ねて使用)。
スーツにハリを与えたり、立体感を出すことで
身体に沿って動きやすくしたり、型崩れ防止の為のもの。
上記の様な機能面もあります。
先程の本切羽同様、こだわりの世界です。
ただ本切羽は周りから見える箇所ですが、
台場はジャケット着用時、
周囲からもご自身も目に入ることはないディテールです。
本切羽よりもこだわりの世界なのですが、
やはりオーダー感(特別感)や、見た目の良さ(高級感)が出る為、
おすすめしたいディテールです。
いかがだったでしょうか。
3回に分けて「①生地②寸法(サイズ感)以外のものにもこだわると、
よりオーダーらしさが出てオリジナルの1着に仕上がります。」
というテーマでお伝えしてきました。
こだわり、自己満足の世界かもしれませんが、
オーダーだからこそ、これらのディテールを複数組み合わせることが出来ます。
せっかくオーダーで作るなら、
ディテールを含めたオリジナルの1着を作りませんか?
それではまた次回。
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