140双糸の白シャツ・ジェントルマン。

もう20年くらい前になるだろうか。麻布テーラーのスピンアウトブランド「Warp&Weft」を担当していた時のお客様で今でも鮮明に思い出す方がいる。

受注の時期は決まって春先3月と秋口9月の年2回。毎回必ず英国製紺無地のスーツ1着と白無地シャツを4枚ご注文される。受注品のお渡し時にも決まって紺無地のネクタイを必ず1本購入される。

勿論、全てのお品は素材の目付、表面感、色の強弱等を微妙に変えたものを選ばれるので、服地はともかく紺無地ネクタイを引き取り時に準備しておくのが大変だった。

トーマスメイソンがお気に入りだった。

シャツ4枚の内1枚だけは毎回同じ140双糸白無地で襟型を変えて注文される。その際留意していたのは襟はワイドスプレッドカラーとボタンダウンを除外しレギュラーカラーを軸にしたバリエーションが顧客様の要望であり、袖先はダブルカフと決まっているなかでお薦めすることだった。つまり襟はレギュラー・ピンホール・タブしかないという事だった。

来店時は常に当店で購入頂いたスーツとシャツ・タイを装われ手入れされたジョンロブを履いてお越しになる。それで「おかしいところがあったら修正してくれ」とだけ言われる。

”お洒落”というより”粋な”お客様だった。

とても粋とは言えないコーディネート(笑)

私も還暦を超えそのお客様と同じような年齢になったが、その領域を超えられずにいる。紺無地スーツと白シャツで人格を表せる紳士になりたいものだ。

シャツフェア用の白生地が追加投入されました!

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