スーツのこれまでとこれから

みなさま、こんにちは。佐藤です。

 

先週のお話になりますが、大宮店の脇山と高校野球西東京大会を観戦して参りました。この日の第2試合からカンカン照りに晴れて梅雨が明けました。もう日焼けでヒリヒリですよ。

本来は千葉県習志野高校戦を観戦して「美爆音」の吹奏楽部を堪能したかったのですが如何せんここ最近の雨天続きによる順延順延で…日程が合わなくなり神宮球場で妥協致しました。

ただ、無事甲子園には出場する様で何よりです。

(ものすっごく行きたいけど、これも日程次第ですね。もう叶わぬ夢ですが、彼らの演奏をバックに打席に向かいたいものです。打てる気しかしません!是非動画サイトで聴いてみて下さい。※ヘッドホン推奨)

梅雨も明け、来月には甲子園も控えて本格的な夏が到来という事は今秋のスーツも考えたくなる頃です。

大船渡高校の佐々木投手も将来を考慮した連投の回避によりベンチスタートという監督の英断もあり、最後の甲子園の出場はなりませんでした。

平成の怪物やハンカチ王子フィーバーの頃とは価値観も本当に変わりましたね。時代は常に現在進行形で優しく、賢くなっています。

それもこれもその時代その時代で闘って来た古人の知恵の賜物です。

洋服も新しくある為にはこれまでを知らなければなりません。

何世紀前まで遡るつもりはないので温故知新というには大袈裟ですが、ここ最近までよく見られたディティールと、これからに向けて右肩上がりのそれらとを比べて高感度な装いで秋を迎えに行きましょう。

①ラペル(襟)

ジェットクルーズモデルに代表される様なナロー寄りから…

コンチネンタルモデルに見られるワイド傾向へ…

(スーツの柄傾向もワイドピッチがキーワードです)

 

②前ボタン

コンテンポラリーでスッキリした2つボタンから…

クラシカルで優雅な3つボタン傾向へ…

(ボタン位置もやや上がり、襟の裏側に第1ボタンが隠れる事でラペルロールがフワッとし、奥行きが生まれるのが肝)

③ベント

センターベントもスッキリしていて良いですが…

ここ最近は一層、サイドベンツが人気です

(スリットが2本あることにより生地の揺らめきがヒラヒラと綺麗に見えます)。

 

④腰ポケット

スラント(斜め)ポケットから

チェンジポケット付きが急増しております

(小銭入れ、チケット入れ、薬莢入れに由来されるクラシカルディティールです)。

 

⑤プリーツ

こちらもスッキリ目なノープリーツから…

インプリーツ入りが再燃しております(1プリーツ or 2プリーツ/インプリーツ or アウトプリーツ選択可)。

ちなみにこちらが1アウトプリーツで

こちらが2アウトプリーツ。

そしてこちらが2インプリーツ。

 

更に欲張れば裾口はダブルにしたいところ(店長、千葉の足元を拝借、やはり黒タッセルとの合わせは◎ですね)。

 

⑥シャツ

スポーティーなワイド系(ホリゾンタルワイド)から…

正統派レギュラー系(スチュアートレギュラー)へ…

 

各ディティール、共通しているキーワードは

「英国調」ということ。

見た目は優雅で古めかしくありながら、生地に関しては軽さやストレッチ、防汚などの機能も充実しているのがここ数年継続して右肩上がりの傾向です。

 

今シーズンの私のきっての願望は…

先程載せた2つボタン斜めポケットのこのスーツ。

ここ2〜3年、銀座six店に於いて受注数圧倒的ナンバー1のサンプルなんです。

SCABAL  THE ROYAL  #70433 suits price ¥100,000+税〜(vest price ¥33,000+税〜)

Thomas Mason  #AM88095 shirts price ¥19,000+税〜

ネクタイ Canepa ¥6,500+税

 

こちらのスーツ、今年の新卒社員小倉のスタイリングに似ていたり、このサンプル作成者、熊本生まれ英国倫敦(London)育ちの前任店長楠本になぞらえて様々なニックネームがあるほど銀座six店スタッフ一同からも愛されてますが、このサンプルきっかけで全く同じスーツ、又は似寄りのブルーグレー調無地のスーツを2つボタンの斜めポケット、ノープリーツで御注文下さった方がどれだけ多かった事か!

そんな私どもも同様御多分に洩れず、軽く懐かしい写真を載せますと…

この三名[左:二子玉川店副店長松本(紺) 中央:麻布テーラークレスト店長楠本(黒) 右:ワタクシ(濃紺)]は全員こちらのSCABAL THE ROYALの色違いです。

スーツ界のディープインパクトばりに種を蒔いてくれました(なんの巡り合わせか、こういうことを書こうと思っていたら丁度、これを記す7月30日、彼の訃報を目にしました。競馬には疎いですが、時代は変わりますねぇ…)。

ただどんなに時代は変われど、この手のブルー系無地は不動の人気を誇ります。その不動のスタンダードに、前述のクラシカルな味付けを加えて粋な一着を仕立ててみませんか?

 

とまぁ、最近の傾向をつらつらと述べましたが、ファッションである以上、流行りは鮮度を保つ上で非常に大切ですが、何よりも大事なのが「似合わせ」「その人らしさ」だと存じますので、流れに逆らう天邪鬼オーダーも私個人的には大歓迎です。

その辺は店頭にてまた「お話」しましょう!

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