オーダースーツご検討の方へ、麻布テーラーの拘りの仕立て
麻布テーラー銀座six店のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
スタッフの宮林と申します。
寒い春を、あまり感じないうちに暑い日がありましたね。
動くのが楽になるので、暖かいのは大歓迎なのですが
スプリングコートをご提案していた身としては、「寒くなってくれー」とも思う春でした。
さて、今回は私が前回UPしてブログの続きで書かせていただきます。
前回のブログも是非ご覧下さい。
ご注文から出来上がる迄の流れを、フルオーダーの仕立てと比較しながら
麻布テーラーの魅力についてお伝えさせて頂いております
前回は裁断まで書きましたので、今回は縫製について書かせて頂きます
さて、まず上着を分解すると表生地、芯地、裏地の三つに大きく分ける事が出来ます
~表地~
表生地は、お客様にお選び頂く表面の生地です
麻布テーラーは、生地の種類が多いです
はじめは、悩まれるかもしれませんが、ご用途やお求めの雰囲気に合う生地をご案内しますので
ご安心下さいませ
※生地のお選びのポイントは、また次の機会に※
~裏地~
お身体側にある生地が裏地です
裏地は基本的には、滑りが良い生地を使用します
代表的な素材は、石油繊維のポリエステルと、植物の再生繊維のキュプラです
麻布テーラーでは、吸湿や速乾性の機能性に優れたキュプラ裏地を
オプションで2,500円+税からご用意しています
個人的には、沢山あるオプションの中でオススメのオプションです
つづいて、スーツにご興味を持って頂いた事がある方は、一度はお聞きになられた方もいらっしゃると思います、芯地です
~芯地~
芯地とは、洋服の土台と言われます
なぜ土台が必要かといいますと
クタってなってしまう為です
それも魅力的で「アンコンジャケット」など土台を省いたジャケットもあります
↑こちらの青いジャケットは芯なしです
↑こちらのベージュのジャケットは芯ありです
さて、芯地には大きく分けて、「接着芯」と「毛芯」があります
↑黒い部分が接着芯です
↑こちらが毛芯の生地です
接着芯とは、不織布などに樹脂がついていて、熱と蒸気で樹脂を溶かして生地に張り付けます
毛芯は、接着機能はない堅い織物で出来ています
素材の生地そのものを「毛芯」とも言いますが
スーツ専用に毛芯を何枚か重ねて出来ているものを、「毛芯」ともいいます
スーツ用の毛芯は既製品があります
既製品はありますが、ご体型や、生み出したい雰囲気に合わせて毛芯をオリジナルで作る拘りのテーラーさんもいらっしゃります
↑スーツ用の出来上がった毛芯です。何枚か重ねて出来てます
ここからは、フルオーダーとシステムオーダーを比較しながら
表地と芯地について、書かせて頂きます
~フルオーダーの表地と芯地~
フルオーダーの手縫いのスーツでは毛芯を手縫いで張り付ける仕立て技法があります
これを、「八刺し」といいます
同じ役割であれば、樹脂で張り付ける接着芯の方が手間がかからないので、必要ない感じがしますが
手で一針一針縫いつけることで、すこしづつ表生地と芯地をずらしていき工業製品では表現が難しい立体的なラペル(衿)の返りを生み出していきます
~麻布テーラーの芯地~
麻布テーラーでは、接着芯と毛芯をどちらも使用しています
表生地を安定させて、強度も上げる役割として接着芯を使用し
毛芯を使用して立体的なシルエットを生み出しています
また、モデル事にオリジナルの毛芯を作成しており、各モデルの中でも軽い仕立てにする事が可能です
かなり作りに拘っていて、麻布テーラーの魅力です
システムオーダーのオーダーの場合は、この毛芯と表地の張り合わせをマシンで行います
その為、手で表現されるフルオーダーの立体感は、さすがに生み出せないと個人的には思います
フルオーダーとシステムオーダーの価格差は、型紙作成や仮縫いの有り無しもありますが
この縫製での、手間も大きな要因です
「八刺し」以外にも手縫いで表現される技法が沢山あります
~手縫いの技法~
代表的なのは「アイロンワーク」です
アイロンワークとは、アイロンを使用して生地の形を変える作業です
これにより、平らな生地に肩甲骨の膨らみをつけたり、ジャケットと腰骨の張り付きをよくしたり、肩先や鎖骨あたりのフィッティングを高めたりします
システムオーダーではアイロンワークを全くしないという事ではないですが
手縫いのスーツのアイロンワークとは量が違います
次にご紹介するのは、「手まつり」です
ミシンを使わないで、手で縫う作業です
手でまつる事で、縫い目の柔らかさにテンションの強弱をつける事ができます
必要に応じて縫い目が柔らかくなると、着心地も柔らかくなります
また、見た目の雰囲気も柔らかくなり高級感が漂います
ただ、ご紹介させていただいた手作業は莫大な時間がかかります
フルオーダーのスーツがどれだけ手が込んでいるか知ると数十万の金額にも納得です
さて、そんな仕立て服をシステム化して価格を抑える事を実現したものが
システムオーダーです
麻布テーラーでは、スタートで4万円+税からご用意してます
生地から企画し、裁断、素材、縫製、仕上げ、あらゆる工程を工夫して自社工場で完結する事で実現した自信を持ってオススメ出来る商品です
ですが、手縫いのスーツもご興味があるお客様もいらっしゃると思います
そこで、ご紹介させていただくのが拘りの仕立て「ARTISAN SUIT HAND MADE」です
ARTISAN SUIT アルチザンスーツのご紹介です
職人のハンドワークを駆使した特別のオーダースーツ
オーダースーツのさらなる進化を探求する中で、イタリアサルト界で最も権威のある「金の針賞」を受賞した天才サルト、ジャンニカンパーニャ氏技術指導を受けた他には無い優れたハンドメイド工程を持った中国にある工場と出会いました。手作業だからこそ実現する美しいシルエットと快適な着用感の特別なスーツです。・・・・店頭POP引用
システムオーダーでありながら、7割の工程を手縫いで行う仕立てです
それでは詳細をご紹介します
~ARTISAN SUIT HAND MADEの仕立て~
【上衿】
一枚衿で仕立てています。だいたいのスーツは上衿のパーツは二枚に分かれています
それは平面の生地を、立体的に衿を返す為には二枚にする必要があるからです
アイロンワークで生地を曲げて一枚で出来た襟を、「一枚衿」といいます
そうする事で首から衿が離れにくくなり、吸い付く衿が出来ます
ちなみに立体的に曲げた表地の一枚衿は柔らかいヘナヘナです
それを中で支えているのが立体的に構築された毛芯できた襟芯です
↑青い矢印で切り替えているのが二枚衿です
↑切り替えが無いのが一枚衿
【袖】
袖のご紹介は難しいのですが
胴体部分と袖の縫い合わさっているところは、袖の方が長いんですが
長さが違う箇所を、袖側を縮めながら縫っています
この縮める事を「いせ」といいます「いせ込む」という事です
そして、この分量を「いせ量」というのですが
アルチザンはこの、いせ量が多いです
いせが増えると、キレイに縫うのが難しいのですが、アイロンを使用してキレイに手で付けます
そうする事で、美しさと機能性を生み出します
【袖裏】
袖裏もいせ込みます。袖裏で使用されるポリエステルやキュプラは、アイロンワークが出来ません
その為、長さが違うものを縫い合わせるのは大変な作業です
アルチザンでは手縫いで裏地を縫い止めています
そうする事で、一針一針の間に少しづつ、いせ込んでいきます
手仕事で必要に応じて、箇所により縫い目のテンションを変える事で、より着心地を柔らかくします
【尻~渡り】
パンツの「クセとり」です。
クセとりとは、人の足は横から見るとまっすぐ下に向かってる訳ではなく、くねくねしてます
脚に沿うキレイなシルエットにするには、アイロンワークにより脚の形にクセとりする必要があります
アルチザンスーツでは、その工程を行う事でキレイなヒップラインに仕上げています
などなどです。
手縫いの魅力を麻布テーラーのハウスモデルで堪能していただける、素晴らしい商品です
ご新規様へも、もちろんオススメでございますが、麻布テーラーをご利用いただいている顧客様へも新たに、お楽しみいただきたい商品です
お値段は、カノニコの生地で90,000円+税からのご用意です
しかも、オプションの
キュプラ裏地や、水牛の角釦、本切羽、台場仕立て、フルステッチ、上衿ヒゲ付き、Vスリット、などなど、すべて込みのお値段です
お買い得ではないでしょうか?
対象の生地は、麻布テーラーが独自にピックアップしています、ロロ・ピアーナ、ドーメル、マーリン&エヴァンスなど、オススメのラインナップです
サンプルをご用意してありますので、ご来店の際は是非ご覧になって下さい
それでは、本日はスーツの仕立てについて書かせていただきました
かなり長くなってしまいましたが、お読み頂きありがとうございます
次回は、生地の選び方について書かせていただきます
それでは、ご来店心よりお待ちしております
azabu tailor / 麻布テーラー
&B 銀座six店
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