尾州にて

州という地域は、日本のかつての地方行政区分である国のひとつで尾張国を意味し、愛知県の西北部、東海道の西部に位置します。この地域は木曽川の豊かな水と肥沃な濃尾平野の恩恵を受け、古くから繊維産業が発展し、わが国の毛織物産業の約7割を占めるなど世界でも有数の繊維産地となっています。

今回は、この尾州随一の生産数を誇る毛織物メーカー、中伝毛織との打ち合わせで訪問した際、工場にて品質のチェックさせて頂きました。その時の工場内の様子を簡単ですがご紹介します。

中伝毛織株式会社はその母体が明治39年創業、昭和6年に現在の中伝毛織株式会社としてスタートした100年を超える歴史を持つ織物メーカーです。日産300反(15,000m)、最大年産100,000反の生産が可能なキャパシティを持っています。また40台余りの丸編機を持つニット工程も所有しニット服地の製造販売でも有名です。

ちなみに今年の3月に着数限定販売し、ご好評を賜りました、JET CRUISE JERSEY JACKETの素材はこの中伝毛織と東レとの共同開発によって実現いたしました。

生産量が多いといえども、大量生産が目的ではなく、それぞれの品質に最適な織機使いや整理など、こだわった物作りをある程度の量産ができるというパフォーマンスを持っています。匠染色株式会社、匠整理株式会社といったグループ会社でこだわった染色、整理が出来るという強みも兼ね備えています。

広大でありながらも綺麗に清掃、整理された工場内を見ると品質に対する責任と思いが伝わり、幾度と足を運んでいますが、安心してビジネスパートナーとして取り組める企業だと再認識させられます。

整理整頓された工場内に設備された80台もの多品種織機には圧倒されます。中でも耳ネームジャガード装置を配備したドイツ製織機【DORNIER(ドルニエ)】に、我々麻布テーラーは大変お世話になっています。生地バンチのBASICSを初め、WORLD TRAVELER COLLECTIONの多種多様な品質をお願いしております。この織機、高速対応は勿論の事、昔ながらのションヘル織機のように低速によって、高品質素材に弾力性を持たせながら丹念に織る事も可能。またカラミ織という特殊な織物のも対応できる優れものです。この他に前工程の整経マシンなど最新式の設備が整った工場です。

丁度この秋冬のBASICSが織機に乗っていました。

【こだわりと効率】ある意味、相反する考えを見事に調和させた物作りスピリッツを感じさせられる企業です。私と同年代の中島幸介社長はバイタリティーに溢れ、海外国内を縦横無尽に飛び回わっておられ、ご本人の写真をご紹介できないのが残念です。(また次の機会に!)

中島社長は常に革新的ながら品質へのこだわりの持ち、物作りに向き合っている方です。Made in Japanの底力を担うリーダーの一人です!

がんばろう 日本!

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