NANO Finishって?

今回も少しお勉強を!

WORLD TRAVELER シリーズの多くは前章のNatural Stretchに加え、NANO finishという後加工を施している素材があります。WORLD TRAVELERでNANO Finishと記載されているのはナノレベルでの撥水・撥油加工の事です。

ご存じだとは思いますが、そもそも、ナノ(nano, 記号: n)とは国際単位系 (SI) における接頭辞の一つで、以下のように、基礎となる単位の10-9倍(=十分の一、0.000 000 001倍)の量であることを示します。1ナノメートル = 0.000 000 001メートル1960年に導入されたもので「小人」という意味のギリシャ語 に由来しています。このナノレベルの技術による溶剤を使い、繊維一本一本にまで機能性を隙間なくカバーする事が出来、ウール本来の風合や特徴を引き出す仕上げが可能とされています。ウールは特にこのナノ技術の応用に適した性質があり、他の物質との分子レベルの融合できる可能性を秘めています。

WORLD TRAVELER CUSTOM, CLASSICS, SEVEN SEASのコレクションの全てとTIMEの一部コレクションにはNANO Finish(ナノ加工)による撥水撥油加工が施されています。

図のように、繊維自体にナノレベルの加工が浸透しているので、生地の組織の隙間は薬品によって目詰まりする事が無く、通気性を損なう事がありません。そして撥水効果は以下の写真のように少々の水分、油分なら玉のようになって、数分の間では染み込まない弾き具合です。上手く拭き取れば油分でも汚れは最小限で済みます。食事中などの何かこぼしたら、すぐに、擦らずティッシュか何かで吸い取る感じで水分油分を除去するのがコツです。

こんな感じでお茶をこぼしてみましたが表面張力で玉のような状態で3~4分程度はこの状態をキープ!長時間経つと少しずつは組織の隙間から水分が染み込んで行きますが。少々の雨の雫ははらえばOK!

そして技術に進歩はすごいもので一昔前の撥水加工では、生地表面全体に溶剤加工をしていたので、生地本来の風合いが損なわれていましたが、このナノレベルの撥水撥油では分子レベルで繊維自体に浸透していますので、ウール本来の風合いが損なわれないという事です。

このナノ加工の写真は、WORLD TRAVELER SEVEN SEASに編集されている、英国の毛織物産地の中心地ヨークシャー州はハダースフィールドで生産されている、Savile CliffordやAir Woolのフィニッシュ作業の様子。ナノの溶剤を噴霧しています。このフィニッシュは、ハダースフィールドの同地域のフィニッシングを一手に引き受ける、毛織物整理加工会社のW. T. Johnson & Sons社の加工工程です。

このバンチブックのNANO finishが目印です。

こんな優れた技術革新で進化したウール素材は、頑張るビジネスマンの良きパートナーとして活躍しています。

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