パターンオーダーシャツフェアを今年も考える。
ヨーロッパから帰国して、翌日から休む暇もなく仕事をしているのですが、4日経過した現在も時差ボケが治りません。年々ひどくなっているのは、加齢のせいでしょうか。それとも時差ボケではなく、考えることが多くて眠れないだけなのでしょうか。
さて、考えるといえば、私のブログタイトルでも定番となりつつある「パターンオーダーシャツフェアを考える。」、本日からの開催に合わせてやはり今回も考えてみます(笑)。
このフェアは、18日間の短い期間で約15,000枚を超えるパターンオーダーシャツのご注文をいただきます。なぜ、こんなに沢山のお客様からご支持いただけるのか? 2枚¥16,000+税でお買い求めいただけるお得なセールプライスだけが理由ではありません。
理由1 「シャツ生地のクオリティが高い」
このフェアの生地は、国産の綿100%であることはもちろんのこと、細番手の糸を2本で織り上げた双糸使いや、高番手単糸のコンパクトヤーン(コンパクトスピニングという紡績技術により生み出された糸の総称で、毛羽が少なくシルクのような光沢や滑らかさがでるとされる。)をメインにしています。店舗によって品揃えは異なりますが、中には100番手双糸や120番手双糸などのお宝も混ざっていることもあります。ちなみに、麻布テーラーの通常コレクションに入れるとすれば¥9,800~¥12,000+税のクオリティランクになります。
今回は、特にホワイトのバリーションが充実しています。私のリコメンドは、国内のドレスシャツ生地の産地まで入り探し出したトレンドのシャンブレー素材です!数は少ないかも知れませんが、今回は全店に振り分けております。
※番手とは?・・・生地のもととなる「糸」の太さをあらわす数字(単位)のことです。番手が大きくなるほど糸は細くなり、生地がやわらかく薄くなるため、風合いや肌ざわりの良い生地ができます。一方、番手が小さい糸で織りあげた生地には、透けにくく、丈夫といった魅力があります。ドレスシャツは50~120番手、カジュアルシャツは40~80番手が主流です。
※単糸(たんし)と双糸(そうし)とは?・・・シャツ生地に使用する糸には、1本の糸を使った「単糸」と、2本の糸をより合わせて1本の糸にした「双糸」があります。より合わせることで丈夫になるため、番手の大きい細い糸(80番手以上)は双糸にすることが多いです。 また、双糸使いの生地は、同じ番手の単糸使いの生地よりも肌ざわりがよくなります。
理由2「全て1着分でカットしている」
麻布テーラーでは、通常はバンチブック(少し小さめの生地を本のように綴じている台帳のようなもの)で生地をお選びいただいています。座っていながら沢山の種類の生地を短時間で選べるという利点があります。しかし、慣れていないと生地が小さいので、出来上がりのイメージが解りづらいこともあります。その点、このフェアでは1着分の生地を見て選ぶことができるので、初めてのお作りいただくお客様にも出来上がりのイメージがつきやすいかも知れません。バンチブックと違って選ぶのも時間がかかりますが、そこも自分好みの生地を探し出す楽しさがあると思います。
理由3「仕立てやデザイン選択も通常のオーダーシャツと同じ」
前述のように生地クオリティからするとお買い得なプライスですが、セール用の仕立てやデザインではありません。通常のオーダーシャツと同様に襟型は46種類、カフ型13種類、ポケット型16種類、ボタンは28種類などデザインのバリーションの豊富さは勿論のこと、フィット感の異なる6つの基本ボディスタイルを使いながら、お客様がイメージされるシャツに限りなくフィットさせるパターンオーダーになります。このように生地も仕立ても妥協無く、デザインもサイズも自分仕様、しかもお買い得プライスといった点が人気の秘密です。
私の今の気分は、タブカラーやピンホールカラーなど。ゲーリークーパーやクラークゲーブルのように小さ目のノットでネクタイを併せて着こなしてみたいですね。
最後にこのイベント期間は、非常に沢山のお客様にご来店いただくので、店舗スタッフが全てのお客様に初めからご対応することが難しい場合があります。以下のようなご説明パネルを全店に配置しております。この手順に沿っていただくと、比較的スムーズにご注文いただけます。また、お客様の採寸データーは大切の保管しておりますので、2回目のお客様は前寸を参考にさせていただくのでお時間は比較的かかりません。初めてのお客様は、担当のスタッフがご案内をしてから、採寸を含めるので少し時間をいただくことになります。
明日からは、久しぶりのお休みをいただきます。しかし、休み明けはバンコクへ出張です(汗)。海外出張報告書も書いていないのに、また海外出張という生活。。。オーダーシャツフェアを考えている場合ではなく、私の家族のことを考えなくてはならないのは間違いないでしょう(苦笑)。