麻布テーラーの唯一のセール。
現在好評開催中の麻布テーラーの唯一のセール「パターンオーダーシャツフェア」。昨年より、麻布ザカスタムシャツや一部の麻布テーラーの店舗で実施していたサンプルセールは中止になりました(既製品をメインに取り扱うR&BLUESのブリーゼブリーゼ店はセール開催中)。
我々は、原点に立ち戻り、シーズンを通して「価値ある商品を価値ある価格で」お客様にご提供できるようにしたいという想いからサンプルセールは中止しました。過去にも書きましたが、麻布テーラーのオーダー商品やオリジナル既製品は、我々の業界でいう販売原価率(売上高に占める売上原価の構成比率)は、一般的な同業の小売業と比較すると決して良くはありません。一概には言えませんが、原価の高い商品でも販売価格を低めに設定しいることになるので、お客様が得をしているということになります。セール販売を前提に販売価格を設定するよりも、お客様に正価の価値を感じていただける商品をご提供したいとの理由です。
もちろん、全て正価価格で販売できるという訳ではありませんので、既製品をメインに取り扱うR&BLUESのブリーゼブリーゼ店や、年に1~2回という不定期に「azabu tailor warehouse」というアウトレットストアをオープンしています。
このように麻布テーラーの唯一のセールとなっているという訳だけではないと思うのですが、「パターンオーダーシャツフェア」は、今シーズンも大変沢山のご注文をいただいております。このフェアは、18日間の短い期間で約15,000枚を超えるパターンオーダーシャツのご注文をいただきます。個人的には、ギネス級だと思います(笑)。
2枚¥16,000+税でお買い求めいただけるお得なセールプライスですが、麻布テーラーは¥7,000+税でお選びいただけるBlue & White 324コレクションもあるので、プライスだけが人気の理由ではありません。
このフェアの生地は、国産の綿100%であることはもちろんのこと、一般的に高級シャツ生地と言われる細番手の糸を2本で織り上げた双糸使いや、高番手単糸のコンパクトヤーン(毛羽が少なくシルクのような光沢や滑らかさがでるとされる)をメインにしています。中には100番手双糸や120番手双糸などのお宝も混ざっていることもあります。麻布テーラーの通常コレクションに入れるとすれば¥9,800~¥12,000+税のクオリティランクになるので、価値ある生地だというのが人気の秘密です。
そして、もう1つは通常のオーダーシャツと同様に襟型は46種類、カフ型13種類、ポケット型16種類、ボタンは28種類などデザインのバリーションの豊富さは勿論のこと、フィット感の異なる6つの基本ボディスタイルを使いながら、お客様がイメージされるシャツに限りなくフィットさせる通常仕立て(セール仕立てではありません)によるパターンオーダーになります。
そういう意味では、店頭で正規販売していて売れ残った在庫商品のみをだけを品揃えしているセールとは違う、麻布テーラーらしい「価値ある商品を価値ある価格で」を貫いた、「パターンオーダーシャツフェア」になります。
最後に、麻布テーラーのクリエーティブディレクターとして、お薦めしたい襟型をご紹介します。それは、「タブ・カラー」です!個人的に麻布テーラーで仕立てるシャツは、最近はもっぱら「タブ・カラー」であります。
20世紀に入ってそれまでの主流のハードカラーにかわりソフトカラーに移行した時に、英国の軍人たちでが、ソフトカラーでの襟先が跳ねないようにタブを付けて固定することを考え出したと聞いたことがあります。
また、ウィンザー公が皇太子時代に愛用した襟型といえばタブ・カラー、映画「007」の6代目ボンドを演じたダニエル・クレイグの「トムフォード」のスーツスタイルも、シャツはタブ・カラーシャツを組み合わせていました。
少しクセのあるデザインですが、お買得なセールでこそ新しい襟型にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。フォーマル色の強い襟型なので、カフデザインもダブルボタンやダブルカフスとも相性が良いと思います
今年のピッティウオモでは、イタリア人は好まない「タブ・カラー」が、なんとイタリアの有名シャツブランドでかなり露出していました。いよいよ、このマニアックな襟型がメジャーになる日が近づいているか?!私を信じて、先物買いしてください(笑)。