ハレとケ、オモテとウラ。#1

ハレとケ、オモテとウラ。#1

ハレ(晴れ)の対義語は、アメ(雨)ですよね。ケ(褻)と答える人は、私のような相当の変わり者です(笑)。

 

「ハレ」は儀礼や行事などの非日常を意味して、「ケ」は普段の生活である日常を表す意味。洋服で例えるならば「ハレ着」は成人式や結婚式を代表する華やかなシーンで着るウェア、「ケ着」は日常の普段着であるカジュアルなウェアになります。

 

この考え方は、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観らしく、日常生活を営むための「ケ」のエネルギーが枯渇するのが「ケガレ(褻・枯れ)」であり、「ケガレ」は「ハレ」の祭事を通じて回復する説まであると聞きます。

 

この言葉の意味をコロナ禍でかみしめています。。。やはり人は、定期的にハレの服装をしないと枯れてしまう。年中ハレの日の感覚で装いを楽しんできた私には、ケガレが一番苦しいのです(汗)。

 

さて、本題です。オモテ(表)の対義語は?それはウラ(裏)ですよね。私のような相当な変わり者でもウラ(裏)です。でもハレ着ならダブルフェイス(両表)と答えるでしょう。相変わらず序章が長すぎますが、今回は麻布テーラーの特別なハレ着コート、ダブルフェイスコートをご紹介いたします。

表裏どちらも兼用で使える「リバーシブル」と混同しがちですが、「ダブルフェイス」とは、異なる2枚の生地を重ねて1枚にした素材のことです。生地地の裏と裏を貼り合わせるため、1枚の生地になった時に外側は両面とも表地になります。そのため裏地がなくとも、肌に触れる部分は触り心地が良く、柔らかく軽いのに生地が2枚重なっていることで見た目以上に暖かい。さらに、とても軽いのでトレンドのロング丈、カジュアルの着回しにも使える万能コートなのです。

 

この生地の特性を最大限に活かす特別な仕立てがあります。それは「スポーツコンフォート仕立て」。生地も特別にこだわり、あのロロピアーナ(Loro Piana)に麻布テーラーのためだけに作ってもらった最高のダブルフェイスもあります。配色は、イタリアの伊達男達、麻布テーラーのお客様、麻布テーラーのスタッフが大好物のノーブルな青(AZZURRO)と艶やかな茶(MARRONE)のコンビネーション、「アズーロ・エ・マローネ」。

凛とした雰囲気の寒色系の青と、エレガントでマイルドな雰囲気の暖色系の茶の組み合わせは、しっかりメリハリを利かせながら上品さとリラックスしたイメージをシンクロさせます。

 

私は久々にハレ着コートを作ってみようと考えています。私のハレ舞台でもあったピッティウオモがはるか昔に感じてしまう。。。ハレの舞台が少なくなかったら、日常を少しドレスアップする日を作れば、きっと気持ちも楽しくなるかもしれない。ケガレの治療薬として妻が許してくれることを祈るばかりです。しかし、間違いなく、服バカの貴方につける薬はないと言われるでしょう(汗)。

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