上月のきづき　＃ゼニアって知っていますか？

私は、麻布テーラーを運営している本社のオフィス勤務なのですが、テーラリングスタッフとして、店舗に出ることもたまにあります。シーズンの立ち上がりの今は、新シーズンの新作生地も入荷に合わせて、多くのお客様にご来店いただいているので、本社勤務のスタッフも店舗に出ます。私の部は、篠塚くんと隔週交代で銀座7th店に行っているのですが、麻布テーラーのスター篠塚くんには、なかなか勝てません(汗)。知識は蓄積されていってはいるものの、私が麻布テーラーの店長をしていたのは、はるか22年前なので、、、言い訳(苦笑)。そんな、慣れない店頭でも、お客様から「いつもブログ読んでいますよ！」など、暖かくお声がけいただくので励みなります(笑)。 そして、店舗でお客様に新作生地のご提案する中で、とても反響が大きいのが、毎シーズン麻布テーラーが特別に注文している別注生地です。今回、ご紹介するのがその別注生地の中でも最高峰「クロス エルメネジルドゼニア」をご紹介いたします！

最高品質だからこそ実現できた古くて新しいデザイン

15milmil15
(100%Wool 230g/m Made㏌Italy)

クロス エルメネジルド ゼニアは、1980年代に高級既製服業界にも進出し、一気に世界中にその名を知られるようになりましたが、1910年に北イタリアで創業されたイタリア最高峰の素材メーカーでもあります。スーツ好きな方なら、一度は耳にした事があるのではないでしょうか。高品質な生地と、その生地から作られる最高級スーツは、多くのエグゼクティブから支持を集め、麻布テーラーでもとても人気があります。そのクロス エルメネジルド ゼニアと麻布テーラーが、長きにわたる取り組みにより実現した、麻布テーラーが特別に注文した麻布テーラーだけの色柄の生地があります。

麻布テーラーが着目したのは、15milmil15（クインディチ ミルミル クインディチ）です。15milmil15は、オーストラリアの最高品質から選ばれた、スーパーファインメリノウールの長くて柔らかい繊維の細さを示しており、わずか15 マイクロン（super170’s相当）。カシミヤと同等クラスの細さを誇り、とても柔らかくシルクのような上品な光沢もあわせ持っています。厳格な品質管理の元、専門技術によって作り出された、クロス エルメネジルド ゼニアのトップランクの素材になります。

麻布テーラーは、15milmil15という素材をベースに、スコットランドの伝統的なタータン柄の一種である、グレンチェックのグレイシュベージュとネイビーカラーを別注しました。少し主張のある柄ですが、地色に馴染ませて注目のライトカラーで表現しているので、ビジネスシーンにも品格と華やかさを主張します。 1月のピッティトレンドレポートにも書きましたが、秋冬はグレンチェック柄が筆頭トレンドです。トレンド先取り観点からも。おすすめしたい生地です！

当時プリンスオブウェールズであったエドワード７世が、狩猟で訪れた時に来ていた柄と言われているように、スポーティ要素がありながら正統感もある柄なので、私も大好物です。写真のようにスリーピースデザインのタイドアップも素敵ですが、私ならベストを脱いで、ニットポロをインナーに合わせて、程よい抜け感も試してみたいスーツです。ぜひ、店頭でご覧くださいませ！！！