モーニングコートについて

みなさま、こんにちは。

今回は、前回のタキシードに引き続きまして、
「モーニングコート」についてご紹介いたします。

モーニングコートは、昼の正礼装。
最も格式の高いフォーマルウェアの一つです。

まずは、そのルールです。

イギリス貴族の乗馬服に由来するモーニングコートは、
朝の日課である乗馬のあと、そのまま宮廷に上がれるようにとのことから礼服化したもの
と言われています。

つまり、モーニングコートは18時まで(before six)に
ご着用いただくべき昼の礼装です。

日本国内における着用シーンは、
結婚式(新郎や両家のお父様など)、
記念式典、表彰式などの慶事、
そして弔事(喪主)です。

次に、そのスタイルです。

色は、黒(墨黒)、濃いグレー、淡いグレー、白のモノトーン
で構築されます。

昼の正礼装の上着は、もちろんモーニングコートです。
その特長は、ピークドラペル、緩やかなフロントカット、
一つ留めフロントボタン、バックボタン、着丈はひざ丈、
ウエストの切り替え付き。

生地は限りなく黒に近い
墨黒(チャコールグレイ)が正式とされていますが、
黒でもよいものと思います。
また、昼の明るい時間帯に着用すべき服装ですので、
光沢ある生地は避けるべきです。

胸ポケットには必ずチーフを挿してください。
白のリネンもしくはシルクで、
挿し方はスリーピークスがよろしいかと思います。

合わせるトラウザーズは、
いわゆる「コールズボン」です。
グレーと墨黒を組み合わせた規則正しいストライプ(コール縞)
のズボンです。
裾はシングルモーニングカットで合わせます。

前回のタキシードでも申し上げましたが、
ビジネススーツで流行している股上の浅いズボンでは、
サスペンダーで吊り上げた際に食い込みがきつくなるとともに、
上下のバランスがちぐはぐになりますので、まったく合いません。
また、ベルトをご使用になられたいと言われる方もいらっしゃいますが、
元来ベルト自体がカジュアルなものですので、ベルトループが付属しません。
白もしくは黒のサスペンダーをご使用ください。

ベストは、上着と同素材。
もしくは、慶事ではお祝いの気持ちを表するために
明るいグレーを合わせてもよろしいかと思います。

シャツは、白ブロード生地を使用し、衿はレギュラーカラーでも可ですが、
ウイングカラーがベストです。
カフスは白蝶貝など白のカフリンクスを使用します。

ネクタイは白黒の縞柄やシルバーのネクタイを。
もしくは、アスコットタイを華やかに締めてください。

靴はカーフの内羽根ストレートチップもしくはプレーントゥを合わせます。

手袋はグレーの革手袋を使用する場合もあるようですが、
いわゆる白手袋でよろしいかと思います。

ハットをご着用の場合は、ウール素材のトップハット(円柱状でつばの短いもの)をご使用ください。

尚、弔事では、華やかなアクセサリー類は避けるべきです。
チーフは挿さないほうがベターですが、
もし挿されたい場合は黒のチーフをTVホールドでご使用ください。
また、コールズボンはより黒の多いものを。
ベストはモーニングコートと同素材で。
そしてネクタイやサスペンダーなどのアクセサリー類を黒に統一してください。
シャツの衿はレギュラーカラー、カフスはシングルカフスにすべきです。

以上がモーニングコートの基本的なルールとスタイルですが、
ご着用シーンや周囲の状況によってご不明点などがあろうかと思います。

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魚住

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