麻布テーラーが他ブランドと違うコト。

麻布テーラーが他ブランドと違うコト。

先週は、ブログをアップできずに申し訳ありませんでした。HQにとって重要イベントであるプレス展示会だったのです。

この時期は麻布テーラーだけではなく、いろいろなブランドのプレス展示会が開催されるので、メディア関係者の皆さんも1日に何件もはしごされるようです。ということは、他社さんと商品企画を比較される訳で、私にとってはプレッシャーしかありません(汗)。

 

という訳ではありませんが、来秋冬シーズンのテーマをコレにしました。

「AZABU TASTE」

テイストとは、「食物の味や味わい」と「好みや趣味」の2つの意味を持ちます。そして、テイストという表現を使う言葉は、「料理」と「ウェア」の2つぐらいではないでしょうか。

 

テイストの良い料理には、新鮮な食材と丁寧な調理と味付けや盛り付けの調和が不可欠です。一方でテイストの良いウェアは、食材は服地、調理は縫製、味付けや盛り付けはデザインやコーディネーションのように、料理同様に各パーツの調和がとれて初めてテイストの良いウェアとなります。しかし、料理もウェアも人それぞれに好みが異なります。料理も体調によって味付けの好みまで影響し、ウェアも同様にライフスタイルによって必用なものが異なります。

 

麻布テーラーの今シーズンのテーマは「AZABU TASTE(麻布テイスト)」。クオリティの高い服地にこだわり、クオリティの高い縫製技術にこだわり、クオリティの高いデザインやコーディネーションにこだわる。それらをパーソナルにご提案することで初めてテイストの良い服となる。もちろん、食材や調理方法と同じく、装いも「旬」というその時一番の新しさを加えることは忘れない。20周年という節目を迎えた麻布テーラーは、今一度原点に戻り、麻布テーラーならではのオリジナリティのあるテイストの良いウェアを追求いたします。

 

といったコンセプトでコレクションを組みました。そもそも、お客様のご注文で成り立つオーダーショップでこのようなコレクションテーマやMD(商品政策)があるのも珍しいと思います。麻布テーラーは、提案商材をシーズン毎にクリエーティブディレクターである私が作成します。しかし、私のご提案が人それぞれ違うライフスタイルにすべてマッチするはずはありません。そこで、私の提案はあくまでサンプルイメージとして、麻生テーラーのフィッターがお客様にサイズだけではなくライフスタイルにもフィットさせる作業を行う訳です。これが、麻布テイストのキモです。

 

もう少し分かりやすく具体例を出してお話しすると、ブランドデザイナーが行く服地見本市であるミラノウニカとセレクトショップバイヤーが行く既製品見本市であるピッティウオモを私がディレクターとしてとして参加します。そのトレンドを背景にそのままバイイングや別注するだけではなく、麻布テーラーのフィルターを通して品格あるリアルビジネスマンの皆様にあうシーズンコレクションを作ります。これを参考に、お客様自身がデザイナーになるような感じでお客様の感性を加えながらパーソナルウェアをつくるのです。

 

テーマごとく食材や調理方法と同じく、装いも「旬」というその時一番の新しさを加えるのがテイストの良いウェアには重要。少し早いですが、来秋冬シーズンの「旬」はこんな感じです。

 

1「カントリー要素が強まる英国調パターン」

全体の傾向としては、昨年からの流れである英国をインスピレーションにしたスタイルを継続しながら、よりハイランド(スコットランド北部)のカントリー要素を強めたり、アメリカンフィーリングとミックスしたり進化を遂げています。グレンチェックやハウンドトゥース、ガンクラブチェック、タータン等の大小の様々なチェックとヘリンボーン。太畝のコーデュロイや毛足の長いベロアやベルベット素材が堅調です。スポーティ要素の強いカントリー要素をドレッシーに昇華させるのが、日本のビジネスウェアでのポイントだと思います。麻布テーラーはこのような「旬」のエッセンスをどう料理したのでしょうか!?それは、もうしばらくお待ちください(笑)。

ハイランドの代名詞タータン

ハイランドの代名詞カントリーチェック

ハイランドの代名詞ヘリンボーンやベルベット、コーデュロイ

2「カントリー要素が強まるブラウンカラー」

カントリーやハンティングなどのスポーツスタイルのカラーであるブラウンからベージュが、テーラードウェアのベースカラーとして拡大しています。麻布テーラーでは、コートやアウター、ネクタイやシャツなどのアクセントカラーとしての使用で、あえて抑えての提案を続けていましたが、いよいよビジネスウェアのベースカラーとして、ネイビーやグレーのネクストとして大きな提案が必用だと感じています。トーンオントーンのブラウン同系色コーディネート、ブラウンと相性の良いホワイトやグレーとのコーディネーションがポイントです。麻布テーラーはこのような「旬」のエッセンスをどう料理したのでしょうか!?それは、もうしばらくお待ちください(笑)。

3「英国調ディテール」

英国調のビスポークテーラーディテールのような、チェンジポケット、シングルのピークドラペル、襟付きベストやダブルベスト、スラックスのプリーツ入りやベストレスなどが更に拡大しています。また、カントリー要素の強いクルミ釦(革釦)やゴールドメタル釦などのアクセサリーも重要です。日本のビジネスシーンにおいては提案しやすいディテールトレンドでありながら、個性の強さも秘めているので、どうコスプレ化しないようにするか?麻布テーラーはこのような「旬」のエッセンスをどう料理したのでしょうか!?それは、もうしばらくお待ちください(笑)。

そのような視点で麻布テーラーの展示会を見ると面白いのですが、残念ながらプレス展示会なのでお客様にお披露目することは出来ません。申し訳ありません!でも、ちらっとこんな感じです。

朝一は店舗スタッフの説明会、日中はメディアの皆様へのプレゼンテーションと一日中しゃべりっぱなし。

ここまで頑張れるのは夜の展示会で栄養を取っているからだと思います(笑)。

こんな私ですが、メディアの皆様には、最新トレンドを多角的に分析して、そうした得た知見をビジネスマンのリアルクロージングに取り入れる手腕に定評ありと書かれることがあります。自己分析は単なるテイスト好きのオッサンです。テイストという表現を使う言葉は、「料理」と「ウェア」の2つぐらい、この2つだけは真面目に取り組んでいることだけは当たりです(笑)。

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