現代版ツイードスーツ

銀座3rd店ブログをご覧の皆様、こんにちは。
気温もぐっと下がり、そろそろコートを羽織る方もちらほらお見えになりました。
秋冬物のスーツは、今からが本領発揮ですね。
今回は久しぶりに仕立てあがりサンプルのご紹介です。
GRAND MARQUIS VINTAGE Wool87%/Nylon13% 360gr.
生地品番 84323
オーダースリーピース価格 72,000+税~
今回ご紹介するのはこのGRAND MARQUIS VINTAGE、国内きっての高級毛織物を織り上げる御幸毛織様との取り組みで生み出されたバンチブックです。その特徴は独自の仕上げ手法による国産ならではのハリコシに、イタリア生地顔負けの光沢感としっとりとした風合いです。過去にはMINOVAと呼ばれる毛織物工場を英国ヨークシャー州ハダースフィールドに構え、グローバルな素材供給を行っていた事でも有名です。
余談ですが、英国生地好きの方ならならピンとくるかもしれませんがハダースフィールドは毛織物で盛んな地域。付近を流れるホルム川とコルム川のおかげで、服地の生産にぴったりな水質を確保できるため、Tailor&Lodge、Savile Cliford、William Halsted、Edwin Woodhouseなど、名だたる英国名門生地メーカーのミルが存在するのもこのハダースフィールド周辺になります。スーツの服地と、川に流れる水の水質に何の関係があるのか?それは生地の生産工程の様々な場面で使われるのに最適な軟水を用いることで、羊毛をごわつかせることなくしなやかな風合いを持たせ鮮やかな色に染め上げるのです。
話が逸れました、もとい。
今回サンプルに選んだのは、しなやかなソフトツイード。360グラムといえば秋冬スーツ地にはもってこいなミドルウェイトの生地ですが、ナイロンを混紡することでごわつきの少ない、モダンなツイードスーツに仕上がっております。
繊維幅の細いナイロン素材のおかげで、ツイードでもシャツ袖仕様にするとこの通り。マニカカミーチャとも呼ばれる、イタリアンスタイルのスーツに多く見られる仕様です。雨降り具合はやや控えめですが、肩先も軽く軽快にお召しいただける仕様なので肩肘張らずに着たい、という方はぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
宮坂