パターンオーダーシャツフェアの秘密。

先日、帰国したばかりですが、もう新幹線で出張先に移動中です。帰国便でもらったミネラルウォーター「SAN BENEDETTO」というのが痛々しいです(苦笑)。

さて、いよいよ本日から麻布テーラー全店で「パターンオーダーシャツフェア」が開催されます。しかし、初めてのお客様には、フェアといっても何がお得なのか分からないと思いますので、今回は「パターンオーダーシャツフェア」についてご説明したいと思います。

このフェアは、18日間の短い期間で約15,000枚を超えるパターンオーダーシャツのご注文をいただきます。これは、我々の業界内、いや業界外でもギネスブック級の驚きの量だと思います。2枚で¥15,000+税という決して安い価格ではなく、出来上がりまで約70日間もいただくのに、沢山のご注文をいただけるのは本当にありがたいことであります。

今回はこんなに沢山ご注文いただく秘密を教えちゃいます!

まずはこのフェアがスタートした経緯を話します。一般的にはこの時期は、既製品シャツ工場は繁忙期でありますが、オーダーシャツ専門工場ではシーズン端境期になり閑散期となります。その閑散期にだからできる生産キャパを利用使用して、シーズン終了に伴う在庫生地を使用してお買い得な価格設定でスタートしたのが始まりです。しかし、現在はあまりに売れすぎて工場生産キャパもいっぱい、シャツ生地在庫は不足している現状です(汗)。そんな中、現在の「パターンオーダーシャツフェア」はこのように進化しております。

秘密1 【シャツ生地のクオリティが高い】

このフェアの生地は、国産の綿100%であることはもちろんのこと、細番手の糸を2本で織り上げた双糸使いや、高番手単糸のコンパクトヤーン(コンパクトスピニングという紡績技術により生み出された糸の総称で、毛羽が少なく、シルクのような光沢や滑らかさがでるとされる。)をメインにしています。店舗によって品揃えは異なりますが、中には100番手双糸や120番手双糸などのお宝も混ざっていることもあります。

もちろん通常コレクションとして入っていた生地も少しは入っていますが、現在はこのフェア用に私が国内のドレスシャツ生地の産地まで入り、生地を確保しております。麻布テーラーの通常コレクションに入れるとすれば¥9,800~¥12,000+税のクオリティランクになります。

※番手とは?・・・生地のもととなる「糸」の太さをあらわす数字(単位)のことです。番手が大きくなるほど糸は細くなり、生地がやわらかく薄くなるため、風合いや肌ざわりの良い生地ができます。一方、番手が小さい糸で織りあげた生地には、透けにくく、丈夫といった魅力があります。ドレスシャツは50~120番手、カジュアルシャツは40~80番手が主流です。

※単糸(たんし)と双糸(そうし)とは?・・・シャツ生地に使用する糸には、1本の糸を使った「単糸」と、2本の糸をより合わせて1本の糸にした「双糸」があります。より合わせることで丈夫になるため、番手の大きい細い糸(80番手以上)は双糸にすることが多いです。 また、双糸使いの生地は、同じ番手の単糸使いの生地よりも肌ざわりがよくなります。

秘密2 【トレンドを抑えた生地が多い】

私が国内のドレスシャツ生地産地に直接出向き、反物が保管されている倉庫で汗と埃まみれになってお宝を探します。妥協はせずに、気に入った生地しか買いません。

今回の私のお気に入りは、こんなフレンチトラッドテイストのビックチェックのオックス素材です。テーブルクロスではありませんよ(笑)。ちなみに、この生地は全部で約50着分しかなく、どこの店舗に振り分けられるか私にも分かりません。こんな宝探し的な要素も人気の秘密ではないでしょうか。

秘密3 【全て1着分でカットしている】

麻布テーラーでは、通常はバンチブック(少し小さめの生地を本のように綴じている台帳のようなもの)で生地をお選びいただいています。座っていながら沢山の種類の生地を短時間で選べるという利点があります。しかし、慣れていないと生地が小さいので、出来上がりのイメージが解りづらいこともあります。その点、このフェアでは1着分の生地を見て選ぶことができるので、初めてのお作りいただくお客様にも出来上がりのイメージがつきやすいかも知れません。バンチブックと違って選ぶのも時間がかかりますが、そこも自分好みの生地を探し出す楽しさがあると思います。

秘密4 【仕立てやデザイン選択も通常のオーダーシャツと同じ】

前述のように生地クオリティからするとお買い得なプライスですが、セール用の仕立てやデザインではありません。通常のオーダーシャツと同様にボタンは28種類、襟型は43種類、カフ型13種類など、デザインのバリーションの豊富さは勿論のこと、フィット感の異なる5つの基本ボディスタイルを使いながら、お客様がイメージされるシャツに限りなくフィットさせるパターンオーダーになります。このように生地も仕立ても妥協無く、デザインもサイズも自分仕様、しかもお買い得プライスといった点が人気の秘密です。

秘密5【どうやってオーダーするの?】

このイベント期間は、非常に沢山のお客様にご来店いただくので、店舗スタッフが全てのお客様に初めからご対応することが難しい場合があります。以下のようなご説明パネルを全店に配置しております。この手順に沿っていただくと、比較的スムーズにご注文いただけます。また、お客様の採寸データーは大切の保管しておりますので、2回目のお客様は前寸を参考にさせていただくのでお時間は比較的かかりません。初めてのお客様は、担当のスタッフがご案内をしてから、採寸を含めるので少し時間をいただくことになります。

皆様、ご理解いただけましたでしょうか?このようにとても価値あるフェアになっております。みなさまのご来店をお待ちしております!

最後に、私がこのフェアだけのためにドレスシャツ生地の産地に入るのは、名物のコレを食べたいからでもあります (笑)。

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