オーダーの世界って結局何がいいの?

“オーダーとは、莫大なお金と時間を費やして行う、ごく一部の人のためのもの”。そんな常識が、少しずつ変わってきている。手軽でクイックなオーダーや、実需に適ったメニューが増え、誰もがオーダーを身近に感じ、楽しむようになっているのだ。とはいえ、既製品を買うのと比べれば、手間もお金もかかるもの。本当にオーダーを上手く活用するコツとは一体?今、人気を集めるオーダーサロンの取材を通じ、その真実に迫りたい。<MEN’S EX11月号より抜粋>

このような「MEN’S EX11月号」で特集が組まれ、業界の先輩達と共に私も取材を受けました。

本日は、紙面でお伝えきれなかったオーダーの良さを麻布テーラー視点で述べたいと思います。

オーダーを語る前に、そもそも衣服とは何かという所から考えなくてなりません。衣服とは、身を守ることの機能から生まれたもの。例えば、冬に裸であれば寒い、裸で転んだら怪我をするといったように。

では、現代における衣服に果された使命とは何か?おそらく、気持ち(精神)に満足を与えるためではないかと我々は思っています。違う言葉で表現すれば、「気分を上げる」ために衣服が存在するとでもいうのでしょうか。例えば、異性にもてる(性的魅力を強調する)ためといったように。また、仕事内容や地位、ライフスタイルによって衣服は異なるので、社会性に通じる面も持っています。例えば、ユニフォームのような衣服がそれです。ビジネスパーソンでいえば、スーツがその代表格になります。

そのスーツというユニフォーム的要素の高い衣服(=気持ちの満足とは無関係)が、現代のおいては自分自身の個性を演出するための衣服(=気持ちの満足を与えるため)に急速に変化してきている感じを受けます。

現代のビジネスパーソンやプロフェショナルに求められていることは、マニュアルではなく個性。常に自分流儀を開拓していける人。スーツの考え方も同様に変化してきて当然です。

しかし、ここで問題が発生します。千差万別の人の気持ちに対応するには、従来の既製品では限界が発生します。麻布テーラーが皆様に支持されている理由は、ここにあるのだと思います。我々は、衣服を流行として捉えているだけではなく、オーダーを通して精神的に満足を与えるお手伝いをさせていただく小売店として存在しています。そのために、「話す」を意味するビスポークが重要です。お客様と「話す」ことで、ライフスタイルに合せたものに近づける。プラス、お客様の個性を良い意味で引き立たせるアイディアとしてのトレンドをご提案する。その融合こそが麻布テーラーの目指すところです。

「MEN’S EX」で私がいいたかったことは、「麻布テーラーにおいてのオーダーの良さは、衣服を流行として捉えているだけではなく、精神的に満足を与えられる唯一なもの」ということです。

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