どれを選ぶ!?7つのオーダーコート
みなさま、こんにちは。佐藤です。
お蔭様で御盛況を頂いておりますコートフェア。
今回はそちらを出汁に銀座エリア各店舗よりオススメコートを掲載致します。
「コート」とは言ったものの、様々なコートがありますからね。
是非各店舗のブログで予習してから店頭にお越し下さると、オーダーの楽しさもより一層なものになるのではないかと存じます。
銀座sixから今週は『ベルテッドアルスターコート』を御紹介。
前回申し上げたチェスターコートよりも位置付けとしてはややスポーティーなモノ。
スポーティーと言えば誤解を招きかねませんが、現代服のルーツは大まかに
・ドレス(礼装)
・ミリタリー(軍服)
・ワーク(作業着)
・モード(コレクション)
等、様々な文化を背景としていつもいつでも『現代人』に定着しておりますが、その中のジャンルの一つとしてのスポーツ。
野球やサッカーを思い浮かべるのも勿論間違いではありませんが、洋服文化を作り上げた『スポーツ』とはやはり時のファッションリーダー軍団、ヨーロッパの上流階級者たちのオフカジュアル(狩猟や乗馬等を背景としたウェアリング)がルーツとされています。
なのでオン=ドレス⇔オフ=スポーツと言えます。ここではそれを基にお話を。
(ちなみに、みなさまがこれをご覧の今も着ているお洋服も、殆どが辿れば上記のいずれかにありつくかと思います。)
どうせ人様に見られるならもっとポージングとか学んだ方が良いですね…。以後改善致します…。髪切りなさい。
アルスターコートのルーツは簡潔に述べますと
いつ?:1866~1867年に(日本じゃ幕末動乱期ですよ)
どこで?:北アイルランド、アルスター地方ドニゴール州で(地名に関してはドネガルツイードと聞けば「あぁ!」ってなりますでしょうか)
だれが?:当時の生地商人が
なにを?:フリーズという毛布に近い毛羽立った厚手の生地を(※フリー「ス」に非ず!全く別物です)
なぜ?:もっと売りさばきたくて笑
だれに?:馬車の上で寒がっている乗客をターゲットに
どのように?:「お兄さん、寒いでしょ?ほらこの生地使ったコート、アルスターコートってんだけど、あったかそうでしょ?旅行用のコートといえばこれっしょ!」とまくし立てて当時の上流階級者たちの間で大ブレイク
たちまちのうちにフランスにも渡り旅行用コートとして定着。
といった経緯から旅行=オフ∴スポーティーとなるわけです。
コートフェア特設ページにもあるように、そもそもはフード付きであったり、前立てはダブル、袖口はターンナップ(折り返し)であったりと、もっとゴリゴリであった感じを麻布テーラーではエレガンスに昇華。一押しのベルトも鳩目(通し穴)を排した仕様でガウンライクに色っぽく。これでドレスウェアとの相性も抜群です。
この大きな上エリが立ち上げた時の防寒性に役立ちます(撮影時は残暑甚だしい事この上なし)。こういったギミックや起源を知ると、愛着がより一層湧いてくるものなんです。男たるもの。ちなみに、たぶん7thがトレンチを挙げていると思うのですが、そのトレンチコート始め様々なコートのルーツともいわれており、コート界のビッグダディとも言えます。
ロング丈のベルト付きアルスター、言葉のみですと一見重厚なイメージかもしれませんが、ロロ・ピアーナのジランダーウールはWOOL100%としては比類なき滑らかさで、そんなことは一切感じさせません(そして残暑のこの時期に着用すると一瞬で汗が流れてくる保温性も折り紙付きです…。軽くて、暖かくて、オシャレです。)。
着用品は今季のトレンドキーワード#モノトーンを意識した純ブラックですが(本来、喪服でしか考えられていなかった「黒」が普段着として定着したのもルーツを辿れば山本耀司氏の功績でしょうか)、
武骨な防寒着らしくモスグリーンのツイードで本格派を気取るのも良し!
より軽快なカシミヤやキャメルカラーなどでアルスターの発想を逆転させて当時のコート売人が驚くような雰囲気にしてしまうも良し!
いずれもオーダーならではで面白いことでしょう。
人気生地も限りがございます。是非皆様のコートの御相談、お待ち申し上げます。
Belted-Long-Ulster Coat Order Price ¥58,000+税~
(掲載品:Loro Piana ¥188,000+税~)